コラム

福井ひかり法律事務所の弁護士によるコラムです。

コラム一覧

してこそなる

2022年09月14日
最近、英語以外の新しい語学を習得したいと思い、韓国語の勉強を始めました。
私は、語学に限らず、何か新しいことを勉強する際、通過点や目標とするため、検定試験や資格試験を受験することがよくあります。
韓国語については、手始めに、先日、ハングル能力検定協会主催の「ハングル」能力検定5級を受験し、合格することができました。
 
「ハングル」能力検定は、英検と同じく、5級が最も難易度の低い試験です(ちなみに、ややこしいのですが、韓国教育財団主催の「韓国語能力試験(TOPIK)」という別の試験では、1級が最も難易度が低く、最上級の6級が最も難易度が高くなっています。)。
「ハングル」能力検定5級については、約480単語を覚えれば合格する試験であり、さほど難易度は高くありません。5級のレベルでは、K-POPや韓国ドラマを字幕なしで理解するにはほど遠く、日常会話についても、定型文を言えるようになる程度にとどまります。
しかし、新しい語学の最初の一歩としては、とても意味のあるものだと思います。
「ハングル」能力検定5級の合格通知書を受け取った時、私は、かつて英検5級の試験に合格した時のことを思い出し、とても感慨深いものがありました。
 
ところで、韓国語は、世界の主要な言語の中では最も日本語に近く、日本語話者にとっては習得しやすい言語です(私は言語学の専門家ではないので、あくまでも素人的な感想にとどまりますが。)。
英語やその他インド・ヨーロッパ語族の言語については、日本語とあまりにも違うため、まず日本語との違いを理解することに苦労します。
一方、韓国語については、語順など文法に共通点が多く、漢字由来の単語は発音や意味も近似しており、私は、むしろ日本語との違いを発見することに楽しみを見出しています。
 
例えば、義務を表す表現については、日本語と韓国語に違いがあります。日本語の「○○してはならない」という表現は、文字どおり解釈すると、○○した場合は物事や道理が成らないという意味であり、どちらかというと否定的な表現です。
一方、これに対応する韓国語の表現は、「○○해야 된다」直訳すると「○○してこそなる」という意味の、肯定的な表現をします。
 
これらの義務の表現については、日本語も、おそらく韓国語も、どちらも日常的に長い間使われている結果、現代では、字句どおりの意味は失っているものと思います。
しかし、私は、韓国語の「○○してこそなる」という表現の方が、「為せば成る」に通じ、前向きで明るい感じがして、好感を持っています。
 
このように、韓国語は、日本語に最も近い言語であるからこそ、むしろ違いを発見することに面白さがあると思います。