コラム

福井ひかり法律事務所の弁護士によるコラムです。

コラム一覧

私と民事介入暴力対策、不当要求対応

令和5年11月8日に開催された暴力追放福井県民大会において、福井県暴力追放センターより、暴力追放活動功労賞を授与いただきました。暴力団事務所の使用禁止の仮処分などの弁護団活動、暴力追放相談委員としての相談活動、不当要求防止責任者講習の講師活動などを評価いただけたものです。
 
私が、民事介入暴力対策や不当要求対応に取り組んだのは、ひとえに、福井弁護士会の北川恒久弁護士の薫陶によるものです。
 
私は、ロースクールを卒業した2009年に司法試験に合格し、その年の12月から司法修習生となり、北川恒久弁護士が経営する北川法律事務所にて研修を受けました。北川弁護士は、日弁連民事介入暴力対策委員会委員長も務められた民暴のスペシャリストであり、福井市役所全体が悩まされていたゴロ雑誌購入の不当要求を根絶したレジェンドです。
 
そんな北川法律事務所の修習初日の朝一にしたことが、暴力団組員が借りているアパートへ臨場して「占有移転禁止の仮処分」という裁判を執行することでした。弁護士3名、警察官5名、執行官1名、修習生1名(私)での臨場でした。北川弁護士が私の実家まで車で迎えに来てくださり、私の父に「危険を伴うところへ連れて行く」ことなどの御挨拶をしてくださったこと、アパートに住んでいた2名の暴力団組員よりも組織犯罪対策課の警察官の方が迫力があったことを今でも覚えています。

さらに、その翌日からの2泊3日は、北川弁護士と二人で日弁連民暴大会高松大会に参加しました。初代民暴委員会委員長の佐長先生の事務所を見に行ったり、北川弁護士が後輩弁護士から慕われている様、民暴に取り組む弁護士の一体感・信頼関係の強さを肌で感じたことを覚えています。

修習終了後、北川事務所に採用していただくという幸運に恵まれ、その後も、今日に至るまで、福井弁護士会民事介入暴力対策委員と福井県暴力追放センターの暴力追放相談員として活動させていただいています。
 
そんな北川弁護士からは、民暴事件に限らず、一つ一つの案件や委員会活動や懇親会を通じて、「弁護士はいかにあるべきか」について、本当に多くのことを教えて頂きました。
 
「民暴は豪胆かつ緻密やぞ、北川」(という、故宮乾朗弁護士が北川弁護士に伝えた言葉)
「こんなことが許されてたまるか!」(正義という価値観、原動力)
「苦境・逆境にいる依頼者は、弁護士さんが何とかしてくれると思って頑張っている。弁護士はその期待に応えなければならない。」(徳島ラジオ商事件の被疑者のお話に思いを寄せて)
「福井弁護士会は『福井県総合法律事務所』であり、福井弁護士会の会員はそのメンバーである」(それぞれの弁護士で立場や価値観は違えど、全弁護士で役割分担をしあって、市民に広く法的サービスを提供していこうという趣旨。弁護士の職業集団としての一体感・仲間意識を守ろうという趣旨。2割司法と言われた状況を解消しようという問題意識など非常に含蓄のある言葉です。)
「相手方が反社会的勢力や不当要求者であっても、相手方にも敬意を払い、礼節を保ち、仁義を守れ」
 
などなど枚挙にいとまがありません。今読み返してみると、私が執筆したコラムの記載内容は、これらの北川弁護士の薫陶によるものであることがよくわかります。
 
私が功労者表彰を受けた暴力追放福井県民大会では、式典の後、北川弁護士による講演が行われました。福井県内での講演はかなり久しぶりとのことでした。北川弁護士の講演を聞きながら、北川先生に頂いた薫陶を思い出すとともに、北川弁護士が講演をされる大会で表彰を受けたことの御縁の深さをしみじみと感じました。
 
私は、どちらかと言えば、自分の経歴や経験から、行政機関や企業や医療機関・宗教法人・学校法人などの各種団体の仕事、相続問題、刑事弁護、交通事故その他賠償案件を得意としており、これらの案件の専門家たらんと日々研究と研鑽をしていますが、今後も、基本的人権の擁護及び社会正義の実現のために、民事介入暴力対策事案や不当要求対応に精一杯取り組んでいきたいと思います。